いまいるところといくところ
暗闇の中
頼りにしていた地図を失い
道を間違え
不安と情けなさと緊張感で
カラダがガクガクと震え
泣いてしまいそうになるのをこらえながら
ひとりで彷徨い
なんども引き返そうと諦めかけては
その度ごと
なんでそこに行こうとしていたのかということを
自分に言い聞かせ
いまいるところといくところをはっきりさせたら
思いがけずに
待っているからと穏やかな声が届く。
私は
こんなに遠回りしてしまっているのに
こんなに情けなくてどうしようもないのに
それでも
待っていてもらえるのだということに驚き、
そして、涙が落ちる。
決意を新たに進む。
行くべきところに向かって。
待っていてくれている人のところへ向かって。
進むしかない。